パフォーマンス・コンサルティング

人材開発のフレームワークを持とう

2009.6.17

グローバル競争が激化する中、改めて言うまでもなく、人事・人材開発部門に期待されていることは大きく変わってきています。それにともなって、人材開発の新しいフレームワークが必要になってきているような気がします。

HRD JAPN 2008、2009の発表資料を見ていたり、ASTD 2007、2008、2009と3年続けて参加したりしていると、少し感じることがあります。


それは「今、人事・人材開発部門に求められているのは3つの『連動性』を高めることではないか?」ということです。

今、人事・人材開発で求められること

1つは、「事業戦略との連動性」です。かつて、人材開発部は「受講者に評判のよい研修をたくさん実施する」ことが期待され、「研修は漢方薬」と言われ短期的な成果はあまり問われませんでした。今は「新規採用の営業担当者、全世界で3.8万人の育成スピードを速める」「若手の宅建合格率80%以上にする」など、事業戦略や業績の向上と連動させた研修例が珍しいことではなくなっています。また、戦略人事と言われるように、人事でも管理業務から戦略貢献に焦点が当たるようになってきました。

2つめは、「人事と人材開発の連動性」です。これまでも言われてきたことですが、その内容が質的に進化しています。戦略人事やタレントマネジメントと言われる動向では、採用・配置、後継者育成、人材開発、組織開発、評価マネジメントなど、人事・人材開発にかかわる機能の全体を経営戦略に合わせて効果的にまわそうとしています。日本でいえば、90年代後半からの人事評価制度の変更に伴って実施してきた評価者研修やキャリア開発制度にリンクしたキャリアデザイン研修などは、この文脈にあると言えるでしょう。また、昨今の次世代リーダーの育成と称される後継者育成も同様と言えます。人事・人材開発の施策は、切り離して考えることはできず、以前にも増して一体のものになっています。

3つめは、「人事・人材開発の施策間の連動性」です。たとえば、ある会社では「キャリア」を軸に、上司との面談制度、モデルキャリアパスの明示、ある職種に必要なスキル要件の明示、スキル習得のために設計された職務経験、専門的な知識・スキルを高める研修群、キャリアデザイン研修、自己申告、相互啓発や関連情報を提供するWEBサイトなど、多くの施策をうまく組み合わせています。つまり、現在は、最終的な目的のために諸施策をひとつのシステムとしてうまく連動させ、相乗効果を高めるようになってきていると言えそうです。このような施策のあり方が当たり前になれば、人材開発は単発の「よい研修」を考えるだけでは十分ではありません。

このようなトレンドは今後ますます高まって行くのではないでしょうか?

人事・人材開発が以上のような3つの連動性を高めていくためには、このような発想を助けるフレームワークが必要になると思います。事業戦略を立案するときには、3C、5Fといったフレームワークで環境分析をします。マーケティング戦略であれば4Pで考えることが基本とされています。その一方で、人事や人材開発の施策を立案するときに有効なフレームワークは、これまであまり紹介されてこなかったような気がします。

 

パフォーマンス・コンサルティングはまさに、この人事・人材開発のフレームワークとして使えるものだと思います。

ニーズの階層構造

GAPS!マップ

基本フレームワークとしてのパフォーマンス・コンサルティング

というのは、ひとつは事業戦略と人にかかわる施策を連動させる具体的なプロセスや方法論を提示しているからです。2つめとして、人事・人材開発に共通の「人のパフォーマンスを向上させて、事業成果に貢献する」という考え方だからです。3つめは、研修などの従業員に対する学習ソリューションに限らず、上司のマネジメント行為、インセンティブや評価の仕組みなど、人事・人材開発の解決策を複数組み合わせて実践するものだからです。

 

ぜひ、パフォーマンス・コンサルティングを人事・人材開発のフレームワークとして活用し、実務に役立てていただければと思います。

人材開発のフレームを持とう

人材開発担当の仕事の流れ

人材開発の効果的なニーズの把握と整理にはコツがあります

パフォーマンス・コンサルティングⅡ
研修効果にこだわる人事・人材開発スタッフには、おすすめの一冊。人材開発部のビジネス志向を高めるための具体的なフレームを整理した本です。

  • 経営幹部から事業の観点で人材開発ニーズを聞きだす質問例
  • 多くのニーズを構造的にまとめるツール
  • 従業員のパフォーマンスが低いときの原因と対処例
  • 経営幹部の戦略実行を支援した多くの事例等

人材開発の上流で役立つ情報が満載です。

人材開発部の役割、人材開発責任者や人材開発担当者に求められる能力、企業内学習の定義、学びのメディアなど、多くのことが一気に変化しています。

浅学ながら米国のトピックを中心に発信し、人材開発部内の議論の素材にしていただこう。

そんな思いで2009年に書き始め、これまでページビュー件数が多いものやテーマで選び、シリーズにまとめました。

人材開発のフレームを持とう-1人材開発のビジネス支援を高める基本5章 55ページ
人材開発のフレームを持とう-2人材開発部の運営効率と能力要件5章 58ページ
人材開発のフレームを持とう-3オンライン研修時代の研修設計と研修転移

5章 54ページ

人材開発のフレームを持とう-4上流から設計する研修効果測定5章 61ページ
パフォーマンス改善する人材開発パフォーマンス改善の動向をおさえよう4章 42ページ
はじめての人材開発担当人材開発の全体像をつかもう33ページ

下の表紙の画像をクリックすると詳しい目次がわかります。

ヒューマンパフォーマンスはパフォーマンス・コンサルティングを実践します。

人にかかわる施策、人材開発と事業戦略の連動性を高め、業績向上に貢献することがテーマです。研修効果で悩んだことがある方には有効なフレームワークです。人材開発のあり方や研修の見直しを検討されている人材開発担当の方におすすめです。
お気軽にお問い合わせください。

代表者プロフィール

鹿野 尚登 (しかの ひさと)

1998年にパフォーマンス・コンサルティングに出会い、25年以上になります。
パフォーマンス・コンサルティングは、日本企業の人事・人材開発のみなさまに必ずお役に立つと確信しています。

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