パフォーマンス・コンサルティング

パフォーマンス・コンサルティングの応用と活用メリット

人材開発部門への応用

事業戦略と人材開発の連動性を見える化する

パフォーマンス・コンサルティングの考え方で人材開発部門に応用できるものはたくさんあります。


その中で最も重要な考え方は、事業戦略と人事・人材開発のソリューションの関連性・連動性を明らかにすることだと思います。


パフォーマンス・コンサルティングでは、「事業戦略が求める成果−成果のカギ=従業員のパフォーマンス−現状のギャップ−原因—ソリューション(能力・職場環境)」という全体の関連性をGAPS!マップを使って整理します。

 

また、事業戦略や事業目標を達成するうえで重要な成果とターゲット従業員の実務行動の関連性をパフォーマンスモデルに整理します。


つまり、選択したソリューションが何に効くのか、それがどのようなパフォーマンスを促すのか、そして、最終的にどの業績向上に貢献するのかが一目でわかるようになるのです。


この考え方は人材開発施策をプランニングするときには非常に便利です。 このような見える化をしておくと、ソリューションの選択、開発、実行、効果測定に役立ちます

研修ニーズの前に求める事業成果とパフォーマンスを考える

人材開発部門のミッションを「よりよい研修をたくさん実施する」とおくと、副作用があります。


つまり、何でも研修や学習にかかわる解決策を前提にしてしまうということです。もっといえば、研修提供が自己目的化する恐れがあるということです。


パフォーマンス・コンサルティングの考え方では、「重要なのはソリューションではなく、目指している事業成果であり、その事業成果に貢献するパフォーマンスである」と考えます。

 

研修やEランは手段です。重要なことは、従業員が業績につながるパフォーマンスを発揮することです。そして、そのための手段は研修以外にもたくさんあります。


このように「研修ニーズ」よりも「求める事業成果とパフォーマンスの実現」を先に考える方が、より本質的な問題解決につながります

研修効果を高めるためのフレームを持つ

「研修効果をどうやって高めるか?」
これは人材開発部門の方であれば必ず一度は考えたことのある問いでしょう。


「すばらしい講師で、すばらしいコンテンツの研修をすれば、効果は高まる」という前提の話は多いものです。


研修を受けた結果、行動が変わるという方はゼロではありませんが、かなり少ないのが実情です。


というのは、人のパフォーマンスは上司や仕事の進め方など職場環境の影響を強く受けているからです。閉じた教室空間で意識づけされ、スキルが高まったとしても、職場に戻るとそれらが発揮されないのは、このような職場の要因があるからです。


逆に言えば、人のパフォーマンスに影響する主要な職場環境要因を理解し、研修と職場環境に対する施策をうまく組み合わせて手を打てばよいのです。そうすれば、従業員は業績向上につながる期待されている行動を発揮しやすくなるでしょう。

人材開発のフレームを持とう

人材開発担当の仕事の流れ

パフォーマンス・コンサルティングの活用メリット

人材開発を通じた業績貢献を実践できる

「この研修を実施することが業績向上にどのようにつながるのか?」この問いに答えることは人材開発部門の積年のテーマです。パフォーマンス・コンサルティングはまさに、このテーマに答える取り組みです。


たとえば、あるコールセンターの目標が「お客様満足度の8%改善」だとしましょう。かなり単純化しますが、いろいろ調べた結果、その「カギを握るスタッフのパフォーマンス」は「様々な質問をして、お客様が言っている問題の根本的な原因を突き止める」ことだったとします。このパフォーマンスを全員が高いレベルでできるようにすればお客様満足度は上がるわけです。

 

現状そうなっていない原因を調べると、スタッフ個人の知識・スキルが不十分であることに加えて、上司のコーチング、職場での事例共有の会議などに問題のあることがわかったとします。

 

ここまでわかれば、これらの原因に手を打てばよいわけです。この場合、原因のひとつはスタッフ個人の知識・スキルの不足なので、解決策のひとつは研修になります。 さらに、上司や職場の会議の仕方にも手を打つことが必要になります。


このように「目指す業績のカギを握る従業員のパフォーマンス−発揮されない原因」の因果関係を明らかにしているので、解決策がどのように業績改善に結びつくのか、合理的な説明ができるわけです。

人材開発施策の効果測定がわかりやすい

パフォーマンス・コンサルティングで最初に手をつけるのは、「事業が求めている成果」と「その事業成果実現のカギを握る従業員のパフォーマンス」を明確にすることです。


そして、このふたつのことを実現することがソリューションのねらいであり、プロジェクトのゴールになります。


つまり、効果測定をするときには、このふたつ−①業績改善のターゲットとするパフォーマンスがどの程度発揮されるようになったのか、その結果、②事業成果がどの程度改善されたのか−を検証すればよいわけです。

 

先程の例で言えば、コールセンターのスタッフ全員がどの程度「様々な質問をして、お客様が言っている問題の根本的な原因を突き止める」ようになっているのか、その結果、お客様満足度が8%改善したのかを見ればよいということになります。

 

このようにパフォーマンス・コンサルティングは、業績向上のために一貫性を保ってプロセスを進めていくため、効果測定で悩む必要はありません

人材開発部門としてのソリューション提案の幅が広がる

望ましいパフォーマンスが発揮されない原因には、従業員の知識やスキル不足以外に、職場の上司のマネジメント行為や業務のフロー、インセンティブなど多くの要因があります。

 

つまり、従業員の知識やスキル不足が原因であれば、研修やeランといった従来の学習ソリューションを提案することになります。しかし、原因が知識・スキル以外の要因であれば、それに合わせた解決策を提案するわけです。


たとえば、原因分析の結果が「お客様対応の品質について、上司から適切なフィードバックを得ていない」とか「毎週のチームミーティングで業務改善について相互に学べていない」といった要因であれば、当然ですが上司を含めた職場環境に手を打つことになるわけです。


その結果、研修以外の解決策をセットにして提案することが自然になり、提案の幅が広がるわけです。

投資効果の少ない研修や学習施策を削減できる

各社ともに人材開発部門で提供している学習メニューはたくさんあります。おそらく、その数は毎年増えているでしょう。それらの目的や位置づけは各社の意図を反映して様々です。

 

たとえば、「企業の理念や価値を浸透する」という目的の研修は、グローバル化が進む中、ますます重要になっています。


その一方で、短期もしくは中期的な事業戦略の実現に役立つように企画している研修やEランもあるでしょう。

 

これらのコースは戦略の変更とともに定期的に見直すことが必要になります。そこで、いくつかの軸で検討していくことになるでしょう。今後の経営環境を考えれば、そのなかでも「事業戦略実現のカギを握る従業員のパフォーマンスを促す」ということが重要な軸になると考えられます。


言い換えれば、各コースで意図している「知識やスキル」「気づき」と「事業戦略実現のカギとなるパフォーマンス」の関連をみるということです。そうすれば、見直すべきものがおそらくわかるはずです。
 
つまり、パフォーマンス・コンサルティングの基本的な考え方を実践することで、研修をはじめとした学習施策見直しの優先順位が明確になるというわけです。

人材開発の効果的なニーズの把握と整理にはコツがあります

パフォーマンス・コンサルティングⅡ
研修効果にこだわる人事・人材開発スタッフには、おすすめの一冊。人材開発部のビジネス志向を高めるための具体的なフレームを整理した本です。

  • 経営幹部から事業の観点で人材開発ニーズを聞きだす質問例
  • 多くのニーズを構造的にまとめるツール
  • 従業員のパフォーマンスが低いときの原因と対処例
  • 経営幹部の戦略実行を支援した多くの事例等

人材開発の上流で役立つ情報が満載です。

代表者プロフィール

鹿野 尚登 (しかの ひさと)

1998年にパフォーマンス・コンサルティングに出会い、25年以上になります。
パフォーマンス・コンサルティングは、日本企業の人事・人材開発のみなさまに必ずお役に立つと確信しています。

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